非居住者等非課税制度の概要・手続

■非居住者等非課税制度の概要

租税特別措置法第5条の2の改正に伴い、非居住者及び外国法人は、一定の要件を満たせば、平成20年1月1日以降に支払われる振替地方債の利子については、非課税措置が適用されることとなった。それ以前は、非居住者等が受け取る本邦地方債の利子については、基本的には15%の源泉徴収が行われてきた。

 

要 件

  • ・証券保管振替機構を通じて決済が行われるもの。
  • ・非居住者等が適格外国仲介業者又は特定振替機関等を通じて保有しているもの。
  • ・非課税適用申告書等を提出すること。

 

非居住者等の非課税手続きの簡素化等

平成22年6月より、非居住者等の受け取る振替地方債の利子に係る非課税手続きの簡素化及び非課税対象者等の拡充として

 

  • (1)非課税手続きを発行体毎(多数)ではなく振替機関毎に変更するとともに各人別帳簿を一定の要件のもとで廃止するなどの手続きの簡素化
  • (2)適格外国証券投資信託の範囲の拡充や償還差益の非課税対象化

 

などが実現されることとなった。

また、地方公共団体金融機構債等の利子等についても非課税の対象となった。

以上のような非課税措置の簡素化・拡充への取組が、海外投資家の呼び水となることで、地方債市場の活性化につながることが大きく期待される。

 

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■非居住者等が非課税措置の適用を受けるために必要な手続き一覧

 

1.イベント毎に必要な書類及び提出方法

イベント 何 を いつ 誰に 備   考
初めて購入するとき 非課税適用申告書(PDF)
記入要領へ
本人確認書類
最初に非課税の適用を受けようとするとき 適格外国仲介業者

又は

特定振替機関等
・特例書類を提出している場合は提出不要

・本人確認書類の提示が必要
氏名又は名称、住所を変更するとき 異動申告書(PDF)
記入要領へ
本人確認書類
変更日以後、最初に利子の支払を受ける日の前日まで
利子の支払を受けるとき 所有期間明細書(PDF)
記入要領へ
利子の支払を受ける日の前日まで ・非課税区分口座を設定している場合は通常作成不要
追加で購入するとき 手続き不要
譲渡するとき 手続き不要

 

2.書類の流れ

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■適格外国仲介業者又は適格口座管理機関の資格取得に必要な手続き一覧

 

1.イベント毎に必要な書類及び提出方法

イベント 何 を 誰に 備   考
適格外国仲介業者の資格を取得するとき 適格外国仲介業者の承認申請書(PDF)
添付書類

記入要領へ
特定振替機関等 適格外国仲介業者について
適格口座管理機関の資格を取得するとき 適格口座管理機関の承認申請書(PDF)
添付書類

記入要領へ
証券保管振替機構 適格口座管理機関について

*1 適格外国仲介業者の承認申請の前提として、証券保管振替機構の一般債振替制度における外国間接口座管理機関(FIAMI)の指定を受ける必要があります

*2 外国間接口座管理機関の資格取得に必要な手続きについては、取引先の金融機関又は証券保管振替機構へお問い合わせください

 

2.書類の流れ

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非課税手続の詳細情報

1.非課税要件等

対象となる地方債 振替地方債
非課税の対象 振替地方債の利子(注1)について、その振替地方債の所有期間に対応する金額(注2)
対象者(注3) 非居住者・外国法人(注4)
保有の方法 特定振替機関等(注5)又は適格外国仲介業者に開設した振替口座により保有

 

(注1)

償還差益(償還(買入消却を含みます)により受ける金額と取得価額)との差額についても非課税となります。

 

(注2)

所有期間に対応する金額とは、以下のとおりです。

  • ・所有期間の初日が振替地方債の利子計算期間の初日以前の場合
  • その利子計算期間に対応する利子の額

  • ・所有期間の初日が振替地方債の利子計算期間の初日後の場合
  • その利子計算期間に対応する利子の額×所有期間日数/その利子計算期間日数

※振替地方債の利子計算期間は6ヶ月間です。

※非居住者・外国法人が、利子計算期間の中途に取得した振替地方債(非課税区分において振替記載等を受けたものを除きます。)で以下の要件を満たすものについては、その振替地方債の所有期間に前所有者の所有期間も含みます。

(1)非居住者・外国法人が取得する直前において、非課税措置の適用を受ける非居住者・外国法人、公共法人等、公益信託等の受託者又は受領する利子に対する源泉徴収が免除されている金融機関、金融商品取引業者等若しくは内国法人等が、振替口座により保有していたものであること

(2)非居住者・外国法人が、その取得後引き続き振替口座により保有していること

(3)非居住者・外国法人がその振替地方債の振替記載等を受けた特定振替機関等又は適格外国仲介業者が、前所有者が振替記載等を受けた特定振替機関等又は適格外国仲介業者から、その前所有者の所有期間等について書面による方法又は情報通信技術を利用する方法により通知を受けていること

 

(注3)

外国投資信託の受託者である非居住者・外国法人は、その外国投資信託が証券投資信託又は公社債等運用投資信託であり、かつ、次の(1)又は(2)の要件を満たすもの(適格外国証券投資信託)である場合に限り、非課税措置が適用されます。

(1)次の要件

・外国投資信託の設定に係る受益証券の募集が、国外において、公募により行われ、かつ、外国投資信託の目論見書その他これに類する書類にその旨の記載がなされていること

・外国投資信託の設定に係る受益証券の募集が国内においても行われる場合には、次の要件を満たすこと

  • ①受益証券の募集が、国内において、公募により行われたものであること
  • ②上記①の募集が行われた受益証券の収益分配が国内の支払の取扱者を通じて交付されること
  • ③外国投資信託の目論見書その他これに類する書類に、募集及び収益分配が上記①及び②に従って行われる旨の記載がなされていること

(2)外国投資信託の受益証券のすべてが他の適格外国証券投資信託の信託財産として取得されたものであり、かつ、外国投資信託の目論見書その他これに類する書類にその旨の記載がなされていること

 

(注4)

国内に恒久的施設を有する非居住者・外国法人が支払を受ける振替地方債の利子でその者の国内において行う事業に帰属するもの等については、非課税措置は適用されません。

 

(注5)

特定振替機関等とは、地方債の口座管理機関となっている国内の金融機関・金融商品取引業者等、サブカストディアンのことです。

 

2.非居住者・外国法人の手続

提出書類 提出時期 備考
非課税適用申告書 最初に非課税の適用を受けようとするとき

・ 提出の際、本人確認書類を提示する必要があります。

・特定振替機関等が特例書類を提出しているときは、非課税適用申告書の提出が不要になる場合があります。

異動申告書 非課税適用申告書の提出後に氏名等又は住所の変更をした場合、その変更日以後最初に利子の支払を受ける日の前日までに
所有期間明細書 利子の支払を受ける日の前日までに ・特定振替機関等又は適格外国仲介業者が源泉徴収の計算の明細書又は各人別帳簿に基づき作成した所有期間等を記載した書類を提出したときは、所有期間明細書の提出は不要です。

 

(2)提出先

①非課税適用申告書、異動申告書については、

・特定振替機関等から口座の開設を受けている場合には、その特定振替機関等を

・適格外国仲介業者から口座の開設を受けている場合には、その適格外 国仲介業者及びその上位機関である特定振替機関等を、

それぞれ経由して、その特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出する必要があります。

②所有期間明細書については、

・特定振替機関等から口座の開設を受けている場合には、その特定振替機関等及び証券保管振替機構及び発行体を、

・適格外国仲介業者から口座の開設を受けている場合には、その適格外国仲介業者及びその上位機関である特定振替機関等及び証券保管振替機構及び発行体を、

それぞれ経由して、発行体の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

 

3.適格外国仲介業者の役割

振替地方債の利子に係る税務上の手続において、適格外国仲介業者は、非居住者・外国法人から受け取った非課税適用申告書・異動申告書・所有期間明細書をその上位機関である特定振替機関等に提出することのほか、以下の役割を果たす必要があります。

 

(1)非課税適用申告書・異動申告書の確認等

非居住者・外国法人から提出を受けた非課税適用申告書又は異動申告書に記載されている氏名・名称及び住所を本人確認書類により確認しなければなりません。

※提出者が適格外国証券投資信託の受託者である場合は、これらに加え、適格外国証券投資信託の名称等を本人確認書類により確認しなければなりません。

 

(2)各人別帳簿の作成等

非居住者・外国法人が口座を開設している適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した非居住者・外国法人が振替地方債の振替記載等を受けたとき又は異動申告書の提出があったときは、その都度、各人別(適格外国証券投資信託の場合は、受託者の各人別及びその適格外国証券投資信託別)に、以下の事項を帳簿に記載又は記録し、帳簿閉鎖日の属する年の翌年から5年間保存しなければなりません。

①非課税適用申告書の提出をした非居住者・外国法人の氏名・名称及び住所等

※提出者が適格外国証券投資信託の受託者である場合はこれらに加え、適格外国証券投資信託の名称

②振替地方債の銘柄及び銘柄ごとの償還金の額

③次の区分に応じ、それぞれ次に定める日

  • @(振替地方債の取得をした場合)その取得につき振替記載等がされた日
  • A(振替地方債の譲渡をした場合)その譲渡につき振替記載等がされた日
  • B(振替地方債の償還を受けた場合)その償還につき振替記載等がされた日
  • C(非課税適用申告書を提出した者が提出後に氏名・名称又は住所の変更をした場合)その変更につき振替記載等がされた日

④振替地方債の銘柄ごとの利子の支払年月日及びその利子の額

⑤振替地方債の所有期間の通算が適用される場合には、前所有者が振替地方債の振替記載等を受けた特定振替機関等又は適格外国仲介業者の名称及び前所有者の所有期間の初日

⑥国内に居所等を有する非居住者の場合には、国外にある住所地又は居所地

⑦国内に支店、工場等を有する外国法人の場合には、国外にある本店又は主たる事務所の所在地

⑧その他参考となるべき事項

 

(3)各人別帳簿に係る情報の通知

上記(2)の各人別帳簿の記載事項を、その上位機関である特定振替機関等に対し一定期間内に書面による方法又は情報通信技術を利用する方法により通知しなければなりません。

ただし、非課税区分口座において振替記載等を受けたものについては、通知は不要です。

 

(4)所有期間明細書の確認

非居住者・外国法人から提出を受けた所有期間明細書に記載された事項を各人別帳簿の記載事項により確認しなければなりません

 

(5)所有期間明細書の代替書類の作成等

・非課税区分口座において振替記載等を受けている振替地方債の利子の支払を受ける場合に、以下の事項を記載した書類(「源泉徴収の計算の明細書」という。)を作成し、これをその上位機関である特定振替機関等及び証券保管振替機構を経由して発行体に提出することができます。これらのことが、利子の支払を受ける日の前日までに行われた場合には、非居住者・外国法人の所有期間明細書の提出は不要です。

①適格外国仲介業者の特定国外営業所等の名称及び所在地

②非課税区分において振替記載等を受けている振替地方債については、銘柄、銘柄ごとの利子の支払年月日、利子の額、その他参考となるべき事項

③課税区分において振替記載等を受けている振替地方債については、銘柄、銘柄ごとの利子の支払年月日、非課税となる利子の額、銘柄ごとの課税される利子の額、源泉徴収される所得税の額、その他参考となるべき事項

※源泉徴収の計算の明細書は証券保管振替機構が作成・保存している元利金請求データで代用することが可能です。

・非居住者・外国法人から非課税適用申告書の提出の際に提示を受けた本人確認書類の写しを作成し、保存している場合に、各人別帳簿に基づき所有期間等を記載した書類を作成し、これをその上位機関である特定振替機関等及び証券保管振替機構及び発行体を経由して発行体の納税地の所轄税務署長に提出することができます。これらのことが、非居住者・外国法人が利子の支払を受ける日の前日までに行われた場合には、非居住者・外国法人の所有期間明細書の提出は不要です。

 

(6)源泉徴収の計算の明細書に係る情報の通知

非課税区分口座の設定を受けている非居住者・外国法人が振替記載等を受けている振替地方債につき支払を受ける利子について、源泉徴収の計算の明細書を発行体に提出している場合には、各人別(適格外国証券投資信託の場合は、受託者の各人別及びその適格外国証券投資信託別)に、支払確定日の属する月の翌月10日までに、以下の事項を適格口座管理機関に書面による方法又は情報通信技術を利用する方法により通知しなければなりません。

・適格外国仲介業者の特定国外営業所等の名称及び所在地

・非課税区分口座の設定を受けている者の氏名・名称及び住所等

※設定を受けている者が適格外国証券投資信託の受託者である場合は、これらに加え、適格外国証券投資信託の名称

・非課税区分において振替記載等を受けている振替地方債については、銘柄、銘柄ごとの償還金の額、銘柄ごとの利子の支払年月日及び利子の額

・課税区分において振替記載等を受けている振替地方債については、銘柄、銘柄ごとの償還金の額、銘柄ごとの利子の支払年月日、非課税となる利子の額、銘柄ごとの課税される利子の額及び源泉徴収される所得税の額

・その他参考となるべき事項

 

(7)非課税区分口座の設定を受ける場合の手続

非課税区分口座の設定に係る適格口座管理機関への情報の通知や各人別帳簿への記載等に関する具体的な内容については、非課税区分口座の設定をご覧ください。

 

4.特定振替機関等の役割

振替地方債の利子に係る税務上の手続において、特定振替機関等は、非居住者・外国法人や適格外国仲介業者から受け取った非課税適用申告書・異動申告書をその特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に、また、所有期間明細書・源泉徴収の計算の明細書・各人別帳簿に基づき作成した所有期間等を記載した書類を証券保管振替機構に提出することのほか、以下の役割を果たす必要があります。

 

(1)非課税適用申告書・異動申告書の確認等、各人別帳簿の作成等、所有期間明細書の確認、所有期間明細書の代替書類の作成等

特定振替機関等から口座の開設を受ける場合、これらについては、特定振替機関等が行う必要があります。内容については、適格外国仲介業者の役割をご覧ください。

 

(2)適格外国仲介業者から通知を受けた場合における各人別帳簿の作成等

適格外国仲介業者から各人別帳簿の記載事項について通知を受けた場合には、その都度、各人別(適格外国証券投資信託の場合は、受託者の各人別及びその適格外国証券投資信託別)に、通知を受けた事項について帳簿に記載又は記録し、記載又は記録した日の属する年の翌年から5年間保存しなければなりません。

 

(3)特例書類の提出

振替国債等や特定振替社債等に係る確認を受けた振替口座において最初に振替地方債の振替記載等を受ける場合において、これらの確認の際に本人確認を行った特定振替機関等又は適格外国仲介業者の上位機関である特定振替機関等は、非居住者・外国法人の氏名・名称その他の事項を記載した書類(「特例書類」という。)をその特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出することができます。この場合には、その非居住者・外国法人の非課税適用申告書の提出は不要です。

なお、提出したときは、その日以後遅滞なく、その旨を非居住者・外国法人に通知しなければなりません。

 

(4)適格外国仲介業者から所有期間明細書・各人別帳簿に基づき作成した所有期間等を記載した書類の提出を受けた場合における確認

適格外国仲介業者から所有期間明細書又は各人別帳簿に基づき作成した所有期間等を記載した書類の提出を受けた場合には、これらに記載された事項を各人別帳簿により確認しなければなりません

 

(5)支払調書の提出

源泉徴収の計算の明細書を提出している特定振替機関等は、利子の支払に関する支払調書を、原則として、その利子の支払日の属する年の翌年1月31日(一定の要件を満たす場合には、支払日の属する月の翌月末日)までにその特定振替機関等の本店又は主たる事務所の所在地の所轄税務署長に提出しなければなりません。なお、税務署長の承認を受けた場合には、支払調書を光ディスク、磁気テープ又は磁気ディスクにより提出することができます。 

 

(6)非課税区分口座の設定を受ける場合の手続

特定振替機関等に非課税区分口座を設定する場合には、その特定振替機関等は、各人別帳簿に、一定の事項を記載又は記録し、保存する必要があります。具体的な内容については、非課税区分口座の設定をご覧ください。

 

(7)適格口座管理機関である場合の役割

特定振替機関等が適格口座管理機関である場合、以下の役割を果たす必要があります。

・源泉徴収の計算の明細書に係る情報の確認

適格外国仲介業者が源泉徴収の計算の明細書をその上位機関である特定振替機関等及び証券保管振替機構を経由して発行体に提出している場合に、適格外国仲介業者から一定の事項に関して通知を受けたときは、その通知事項を確認しなければなりません。

・非課税区分口座の設定に係る情報の確認等

非課税区分口座の設定に係る適格外国仲介業者から受けた情報の確認、適格外国仲介業者への情報の通知に関する具体的な内容については、非課税区分口座の設定をご覧ください。

 

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5.その他

本人確認書類

○ 非居住者(個人)・外国法人共通

・ 官公署から発行され、又は発給された書類その他これらに類するもの

 

※1 これらの書類は提示日前6月以内に作成されたものに限ります。

※2 適格外国証券投資信託の受託者の場合には、これらの書類に加え、その受託をした適格外国証券投資信託の目論見書又はこれに類する書類が必要となります。

※3 非居住者・外国法人の氏名等(適格外国証券投資信託の受託者の場合は、受託者の氏名等及び受託をした各適格外国証券投資信託のそれぞれの名称)及び住所等の記載のあるものに限ります。

※4 国内に恒久的施設を有しない非居住者・外国法人が、国内に住所を有する個人、内国法人、外国銀行支店、金融商品取引業者のうち第1種金融商品取引業を行う外国法人と振替地方債の振替記載等に関する委任契約を締結している場合は、 その委任契約に係る委任状又は契約書で非居住者・外国法人の氏名等及び国外の住所地等の記載のあるものの写しも本人確認書類とすることができます。

 

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適格外国仲介業者

1 適格外国仲介業者とは?

適格外国仲介業者(QFI:Qualified Foreign Intermediary)とは、

外国間接口座管理機関又は外国再間接口座管理機関のうち、情報交換規定を有する租税条約等を締結している相手国等に本店又は主たる事務所を有する者であることなどの要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けているグローバルカストディアンなどの海外金融機関等のことをいいます。

振替地方債の利子の非課税制度は、特定振替機関等又はこの適格外国仲介業者に開設した振替口座により地方債を保有している場合に限り適用を受けられることになりますので、適格外国仲介業者となっていない海外金融機関等から開設を受けた口座で地方債を保有している場合には、適用を受けることができません。

 

2 適格外国仲介業者になるためには?

海外金融機関等が適格外国仲介業者としての承認を得るには、証券保管振替機構を経由して国税庁長官に承認申請書を提出する必要があります。

なお、承認申請書には次の書類の添付が必要になりますが、当協会において掲載している承認申請書の様式はこれらを全て含んだものとなっていますので、次の書類の添付は不要です。

(1)外国口座管理機関であることを証券保管振替機構が証明する書類

(2)税務署長が非課税措置が適正に実施されているかを確認するために提出を求めた書類を遅滞なく提出することを約する書類

(3)非課税適用申告書の提出があった場合に提出者の本人確認を行うことを約する書類

(4)その他参考となるべき書類

 

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適格口座管理機関

1 適格口座管理機関とは?

適格口座管理機関とは、特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関のうち、国税庁長官の承認を受けているサブカストディアンなどの国内の金融機関等のことをいいます。

 

2 適格口座管理機関になるためには?

国内の金融機関等が適格口座管理機関としての承認を得るには、承認申請書に、特定口座管理機関又は特定間接口座管理機関であることを証券保管振替機構が証明する書類を添付して、これを証券保管振替機構を経由して国税庁長官に提出する必要があります。

 

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非課税区分口座の設定

1 非課税区分口座とは?

非課税区分口座とは、非課税区分※1と課税区分※2とに分けられている口座のことをいいます。

※1 非課税区分とは、次の(1)及び(2)の振替地方債以外の振替地方債について振替記載等を行わないこととされている区分のことをいいます。

(1)非居住者・外国法人が利子の計算期間の初日から引き続き所有している振替地方債

(2)非居住者・外国法人が利子の計算期間の中途に取得する振替地方債で以下の要件(非居住者・外国法人が振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等又は適格外国仲介業者と前所有者がその振替地方債の振替記載等を受けた特定振替機関等又は適格外国仲介業者が同じである場合には、①の要件)を満たすもの

① 計算期間の初日から取得直前まで、非課税措置の適用を受ける非居住者・外国法人、公共法人等、公益信託等の受託者又は受領する利子に対する源泉徴収が免除されている金融機関、金融商品取引業者等若しくは内国法人等により所有されていたものであること

※所有していた者の区分に応じ、次のものに限ります。

・(受領する利子に対する源泉徴収が免除されている金融機関、金融商品取引業者等)振替記載等を受けていた振替地方債

・(それ以外の非居住者・外国法人)振替記載等を受けていた利子が非課税となる振替地方債

・(公益信託等の受託者)公益信託等の信託財産に属していたもの

② 非居住者・外国法人が振替地方債の振替記載等を受ける特定振替機関等又は適格外国仲介業者が、前所有者がその振替地方債の振替記載等を受けた特定振替機関等又は適格外国仲介業者から、その振替地方債が上記①の要件を満たすことを証明する事項等について書面による方法又は情報通信技術を利用する方法により通知を受けていること。

※2 課税区分とは、非課税区分以外の区分のことをいいます。

 

2 非課税区分口座の設定に係る手続とは?

(1)適格外国仲介業者に非課税区分口座を設定する場合

①適格外国仲介業者から適格口座管理機関への情報の通知

適格外国仲介業者は、非居住者・外国法人が保有する振替地方債について非課税区分口座を設定する場合、以下の事項を適格口座管理機関に書面による方法又は情報通信技術を利用する方法により通知しなければなりません。

・非課税区分口座の設定を受ける者の氏名・名称及び住所等

※設定を受ける者が適格外国証券投資信託の受託者である場合は、これらに加え、適格外国証券投資信託の名称

・非課税区分口座の設定をする適格外国仲介業者の特定国外営業所等の名称及び所在地

 

②適格口座管理機関による情報の確認

適格口座管理機関は、(1)による通知を受けた場合には、その通知事項が非課税適用申告書等の写しに記載された事項と同じであるか確認しなければなりません。

※適格口座管理機関は、非課税適用申告書・異動申告書・源泉徴収の計算の明細書を受理した場合には、これらの写しを作成し、保存しなければなりません。

 

③適格口座管理機関から適格外国仲介業者への情報の通知

適格口座管理機関は、(2)による確認をした場合には、その旨を適格外国仲介業者に通知するとともに、非課税適用申告書等の写しに、通知年月日、通知内容、その他参考となるべき事項を記載しなければなりません。

なお、適格外国仲介業者は、適格口座管理機関から通知を受けた後でなければ、非課税区分口座を設定することができません。

 

④振替国債又は特定振替社債等について非課税区分口座を設定している場合の特例

適格外国仲介業者が、振替国債又は特定振替社債等について非課税区分口座を設定している場合において、振替地方債について非課税区分口座を設定しようとするときは、上記②の確認及び③の通知は不要です。

 

⑤適格外国仲介業者による各人別帳簿への記載等

非居住者・外国法人から口座の開設を受けている適格外国仲介業者は、非課税適用申告書を提出した者が非課税区分口座の設定を受けたときは、その都度、各人別(適格外国証券投資信託の場合は、受託者の各人別及びその適格外国証券投資信託別)に、「3.適格外国仲介業者の役割 (2) 各人別帳簿の作成等 ①〜⑧」の記載事項に加え、以下の事項を帳簿に記載又は記録し、帳簿閉鎖日の属する年の翌年から5年間保存しなければなりません。

・非課税区分口座を設定した年月日

・各人別帳簿の記載事項のうち、②、③(Cを除きます。)及び④について非課税区分と課税区分の別

 

(2)特定振替機関等に非課税区分口座を設定する場合

特定振替機関等に非課税区分口座を設定する場合には、その特定振替機関等は、各人別帳簿に、一定の事項を記載又は記録し、保存する必要があります。具体的な内容については、上記(1)⑤をご覧ください。

 

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