地方債の概要について

債券の種類及び概要

債券とは

一定期限(最終償還日)に元本を返済すること、それまでの期間、一定期日に、一定利率の利息を支払うことを約束した証券を債券という。国や地方公共団体等が発行する債券を公債、民間の企業が発行する債券を社債といい、これらを総称して債券という。

債券は、発行者が資金調達を目的として発行するもので、一種の借用証書である。しかし発行額が一定単位の額面額による多数の債券に分割され、均一の条件で、不特定多数の投資家に売捌かれること、また発行者には満期まで安定して資金を利用することが保証される一方、投資家には必要があれば何時でも保有債券の売却が可能である(ただし、売却価格は市場動向により変動する)等の点で、単なる借用証書とは異なっている。

債券の種類とそれぞれの概要

債券の分類

[1] 発行主体による分類

第1図 債券の種類

図

[2] 債券の形態による分類
利付債 利息支払いのための利札(クーポン)がつけられている債券。
割引債 額面額から利息相当額を差引いた価格で売出される債券。
[3] 発行方法による分類
公募債 広く、不特定多数の投資家に対し、均一の条件で募集、売出される債券。
非公募債 特定の関係者、縁故者を対象として発行される債券。縁故債ともいう。(縁故地方債については平成15年度より「銀行等引受債」と名称を変更)
[4] 担保の有無による分類
担保付債券 元利金の支払いを確実にするため、物的担保がつけられた債券(物上担保権付債券)。特別の法律により、発行者の財産から元利金が優先的に支払われることが保証されている債券(一般担保あるいはゼネラル・モーゲージ)も、一般に担保付債券として取り扱われている。
保証付債券 政府、銀行、親会社等が元利金の支払いを保証している債券。
無担保債券 担保も保証もつけられていない債券。

債券の概要

[1] 国債

国債は、国が資金調達を行うために発行する債券で、発行根拠法によって、以下のとおりに分類される。
※出所 財務省「債務管理リポート2025」

1. 普通国債

  • 建設国債
    公共事業、出資金、貸付金の財源に充てるために発行され、財政法第4条第1項に基づき発行される。
  • 特例国債
    歳入不足を補てんするため、年度毎の「特例法」等に基づき発行される。
  • 復興債
    復興のための施策に必要な財源については、復興特別税の収入等を活用して確保されることとされているが、復興債はこれらの財源が入るまでの間のつなぎとして発行されるもので、「復興財源確保法」に基づき、平成23年度から令和7年度まで発行される。
  • 脱炭素成長型経済構造移行債(GX経済移行債)
    脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の実現に向けた先行投資を支援するため、「GX推進法」に基づき、令和5年度から令和14年度まで発行される。
  • 子ども・子育て支援特例公債(子ども特例債)
    こども・子育て政策の抜本的な強化に要する費用の安定財源を確保するため、「子ども・子育て支援法」に基づき、令和6年度から令和10年度までの間、必要に応じ、つなぎとして発行される。
  • 先端半導体・人工知能関連技術債(半導体・AI債)
    先端半導体・人工知能関連技術措置に要する費用の財源を確保するため、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、令和7年度から令和12年度までの間、必要に応じ、つなぎとして発行される。
  • 借換債
    国債の償還資金の調達を図るために発行され、国債整理基金特別会計に基づき発行される。

2. 財政融資資金特別会計国債(財投債)

財政投融資に必要な資金を確保するために発行され、財政融資資金特別会計法に基づき発行される。

また、国債は期間などによって、以下のとおりに分類されます。

長期国債及び超長期国債

現在、期間10年・15年(変動金利)・20年及び30年の利付国債が発行されており、その中でも10年を超える国債は超長期国債と呼ばれ、10年国債は長期国債と区別されている。

超長期国債は、昭和58年2月から、期間の多様化、満期構成の改善等を趣旨として、私募形式で発行されるようになったもので昭和61年度には20年もの国債がシ団引受方式により公募発行され、さらに昭和62年度からは公募入札発行方式が導入された。また、平成11年度から30年債、平成12年度から変動利付15年債が公募入札発行方式により発行されている。

期間10年の利付国債は、国債発行の中で中心的位置を占めるものである。従来、これはシ団引受方式によって発行されていたが、平成17年度末をもってシ団引受は廃止された。現在は、価格競争入札により、発行している。

また、投資家のニーズにより、また国債の効率性を高めるため、平成14年度から「利付債」の元本部分と金利部分を分離し、それぞれ独立した割引債(分離元本振替国債・分離利息振替国債、通称「ストリップス債」)として流通させることが可能となった。

さらに、平成15年度より、国債入札の円滑化を図るため、入札前取引制度が導入された。財務省より入札情報が発表された日から入札の日まで取引が行われる。なお、入札前取引と、入札から発行日までの取引をあわせて「WI(When Issue)取引」という。

中期国債

中期利付国債は昭和53年6月に3年債が初めて発行された。その後、2年債、4年債、5年債が発行され、現在は2年、5年の利付債が発行されている。中期利付国債の創設と同時に発行条件に流通実勢が反映されやすい公募入札発行制度が導入され、償還期限多様化の前進のみならず、発行方式においても重大な変革をもたらした。

物価連動国債

物価連動国債は、表面利率そのものは固定だが、元本が物価指数に連動し、利払いや償還金額が変動する。物価指数は全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)を適用しており、投資期間中のインフレリスクを回避するために有効な商品である。

個人向け国債

国債の個人保有を促進するために、購入者を個人に限定するとともに、最低購入単位を1万円に設定した国債であり、平成15年3月に発行が開始された。現在は、変動10年、固定5年、固定3年の3種類がある。

国庫短期証券(TDB)

従来発行されていた政府短期証券(FB)と短期国債(TB)が、平成21年2月に名称を統合し、国庫短期証券とされた。国債の借換・償還への対応や一般会計や特別会計の一時的な資金不足を補うことを目的に、割引債として発行される。

[2] 政府保証債

公庫、独立行政法人、特殊会社等がそれぞれの根拠法に基づいて発行する債券のうち、元利金の支払いについて政府が保証しているものを政府保証債という。

政府保証債の発行に関しては法律上の根拠が必要であり、それぞれの設置法に債券発行の規定とともに政府保証の規定が明記されている。また、各機関別の発行限度額については毎年度一般会計予算の予算総則で定められ、国会議決を経なければならない。

また、政府保証のない政府関係機関債(非政府保証債)は、発行者との特殊な関係にもとづいて関係者に引受けてもらういわゆる縁故債であったが、財政投融資制度の見直しの中で、財投規模の拡大、特殊法人に事業の肥大化など問題が大きくなり、結果、平成12年5月に財政投融資制度を抜本的に見直す財投改革関連法が成立し、平成13年4月から新たに政府保証が付かない市場公募債である財投機関債の制度が始まった。主な改革等は、郵便貯金等は資金運用部への全額預託義務の廃止、自主運用を行なう。特殊法人等は、財投機関債や財投債などの発行により市場で一括して調達するというものである。

[3] 財投機関債・財投債

財投機関たる特殊法人が政府保証を受けずに、自らに信用力によって個別に金融市場で発行する財投機関債に対し、財投機関が必要とする資金を財政融資資金特別会計が金融市場から一括して調達するために発行する財投債という。財投債に関して政府の信用で必要額だけ低コストで調達し、政策判断にあわせた配分が可能になっている。平成13年9月にはじめてコーポレート型の財投機関債が発行された。

[5] 普通社債

民間の事業会社が商法等にもとづき発行する債券で、電力会社が発行する電力債、NTTが発行するNTT債(電信電話債)、普通銀行が発行する銀行社債、それ以外の会社が発行するものを一般事業債と呼んでいる。

従来、事業債には原則として物的担保をつけるという、いわゆる有担保原則が昭和初年度以来確立していた。しかし近年、国際化の進展等から徐々に緩和され、現在では無担保社債の発行が認められている。

[6] 新株予約権付社債(転換社債、新株引受権付社債)

「新株予約権」とは、これを有する新株予約権者が発行会社に対してこれを行使した時、当該会社の株式の譲渡を、①発行後の一定期間内であれば、②一定の価格で(行使価格)、③一定の株数(行使株数)、受けることができる権利のことである。

「新株予約権付社債」とは、この新株予約権が付された社債で、「発行時は普通社債の形式をとるが、請求により予め定められた条件で当該会社の株式に転換あるいは新規取得する権利の付いた社債」と定義される。新株予約権または社債が消滅した場合を除き、新株予約権の分離譲渡はできない。

この「新株予約権付社債」は、従来「転換社債」と「新株引受権付社債(ワラント付社債)」に区分されていた。区分は、権利行使に伴う株式取得時の代金払込み方法の違いによって分けられている。転換社債の場合は、転換権を行使することで社債が株式に転換され社債権は消滅するが、新株引受権付社債の場合は、新株の取得にあたり別途代金を払込むため、社債権は普通社債としてそのまま残るという違いがある。

平成13年度の商法改正により、従来の「転換社債」及び「新株引受権付社債(非分離型)」が法律上「新株予約権付社債」として一本化されたが、それぞれの仕組みに変更があったわけではなく、証券業界においては、従来の転換社債について「転換社債型新株予約権付社債」という名称を統一的に使用することとされており、従来通りの「転換社債」という呼称も通常使用されている。

なお、「新株引受権付社債(分離型)」(社債部分と新株引受権が分離でき、別々に譲渡可能な形式の債券)については、社債券と新株予約権証券(ワラント)の同時発行という位置付けとなったため、新株予約権付社債には含まれない。

[7] 金融債

農林中央金庫、商工組合中央金庫及び信用中央金庫が各個別の根拠法に基づいて発行する債券。金融債については事業債と異なり、発行を円滑にするため以下のような特別の規定が設けられている。

  • 資本及び準備金の合計金額の30倍に相当する金額を限度として債券を発行することができる
  • 発行にあたっては、それぞれの根拠法に基づいて、その都度、発行予定額や発行条件等をあらかじめ主務大臣に届け出なければならない
  • 「社債管理者の設置」の適用がない
[8] 円建外債

外国政府、国際機関、外国企業などの海外の発行体(海外に設立されたSPC、ペーパーカンパニーを含む)が日本国内で円貨建により発行・募集する債券。サムライ債とも呼ばれる。昭和45年12月のアジア開銀債を第1号として、多くの国や政府関係機関、国際機関等が円建外債を発行している。民間企業では、昭和54年3月、シアーズ・ローバック社がはじめて無担保円建外債を発行した。

なお、「外貨建国内債」として、外貨建ての形態で、日本国内で募集・発行された債権について、過去に非居住者向けで発行された債権はショーグン債と呼ばれた。また居住者、非居住者が海外で円建に発行する債券は殆んどがユーロ市場で発行されることからユーロ円債と呼ばれている。

債券発行市場の金利

現在わが国で発行されている債券は、国債、政府保証債、地方債、金融債、普通社債等がある。こうした債券のそれぞれについて、発行市場における発行条件ないし応募者利回りと、既発債の流通市場における流通利回りとがある。

発行市場における発行条件は、債券それぞれの償還の確実性と流動性(期間、換金性等)の違いにより若干の格差が生じる。本来、こうした発行条件は流通市場の現況に応じて弾力的に決定されるのが望ましいとされている。

[1] 国債の利回り

国債(変動利付債を除く)の金利(表面利率)は入札時の市場の実勢により決定され、償還まで変わらない。ただし、物価連動国債は、利率は固定されているが、物価の動向に連動して元金(元本)が増減し、あわせて利子も増減する。

財務省(HPへリンク)

[2] 地方債の利回り

地方債は、市場の実勢を反映する形で発行条件が決定されている。地方債(民間資金)には、市場公募地方債、共同発行市場公募地方債、住民参加型市場公募債及び銀行等引受債がある。

共同発行市場公募地方債は、地方分権や財投改革の進展に伴い、市場原理に即した民間資金の安定的な調達を目的とし、市場公募地方債発行27団体が連盟で連帯債務を負う方式によって、平成15年4月から毎月の発行が開始された。その後、参加団体数は拡大し、令和7年度は37団体が参加している。

住民参加型市場公募債は、住民の行政への参加意識の高揚の推進を図るととともに、地方債の個人消化及び公募化を通じて地方公共団体の資金調達手法の多様化を図るものであり、平成14年3月より取り組まれている。

これに対して、地方公共団体の指定金融機関が中心となって引き受けられている銀行等引受債については、発行体と金融機関との間の個別交渉により条件が決定されているが、近年入札方式を採用する団体など、調達形態も多様化してきている。

債券の発行形態

発行形態の区分

債券の発行形態は、不特定多数の投資家を対象とするか、特定の投資家を対象とするかで、公募と非公募に区分される。また、そのおのおのについて、発行者が自ら発行手続募集を行うか、第三者に仲介させるかにより、直接発行と間接発行とに分けられる。

図

[1] 直接発行

発行者が自ら発行手続・募集を行う方法である。仲介機関に手数料を払う必要がないものの、多数の投資家に大量の債券をさばくには専門的な知識や広汎な販売組織を必要とするので、一般的な方法とはなっていない(利付金融債、非公募の政府機関債などで利用されている)。

[2] 間接発行

発行者が仲介者を通じて広く投資家を募る方法である。証券市場の専門家である証券会社等の募集力、信用力を活用できることが利点である。

委託募集
発行者が他の会社に募集を委託する方法。受託会社は必要な事務手続や募集行為を行うが、応募額が社債総額に達しないときは応募不足額を引き受ける責任がないため、債券が成立しないという危険がある。したがって、実際にはほとんどのものが、引受募集の形で行われている。
引受募集
発行者が引受会社と、募集取扱い並びに残額引受の契約を結び、募集を委託するとともに、募集額が発行総額に満たない場合には、残額を引受会社に引き取らせて債券を成立させる方法である。これにより、債券不成立の危険が避けられ、発行者は確実に資金調達を行うことができる。シ団引受による公共債はこの形式により発行される。
総額引受
発行者が特定者(証券会社、銀行等)と契約して、発行総額を一括して引受けさせる方法。銀行等引受債の引受けにこの例が多い。
[3] 売出発行

発行総額をあらかじめ確定せず、一定の売出し期間を設けてその間に販売できた額をもって発行額とする方式である。金融債はこの方法により発行することが認められているが、商法には売出発行についての規定はなく通常の社債はこの方法によることはできない。

債券発行の仲介機関

債券発行の当事者は、基本的には発行者(資金需要者)と投資家(資金供給者)であるが、前記のとおり直接発行はまれであり、ほとんどの債券は委託募集、引受募集の組合せの形で発行されており、債券市場の専門家である引受会社及び受託会社が、発行者と投資家の間に立って発行に関する種々の仕事を行っている。

[1] 引受会社の役割

引受会社は、募集又は売出しを目的として債券を引受け、募集額が発行額に達しないときは、残額を自ら背負い込んで債券の発行を確実に成立させるという役割を果たしている。
引受会社になるのは証券会社や銀行であるが、証券取引法第65条の規定により、銀行は公共債以外の債券の引受業務を禁止されている。したがって、公募の事業債、転換社債、円建外債等公共債以外の債券については、証券会社だけが引受業務を行っている。
なお、平成5年4月に施行された「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律」により、銀行の証券子会社による上記公募事業債、転換社債、円建外債等の引受も可能となった。

[2] 受託会社の役割

受託会社には二通りの意味がある。一つは、募集の受託会社であり、他の一つは、担保附社債信託法上の受託会社で、担保の受託会社と呼ばれる。

  • 募集の受託会社は、発行者からの受託を受けて、請契約書、申込書等の作成、払込金の授受、券面の調整、社債原簿の作成、償還金や利子の支払等、募集に関する事務を行う。旧商法では、さらに募集の受託会社は、社債券者のために、社債の償還を受けるのに必要な一切の裁判上、裁判外の行為を行う権限を与えられていたが、平成5年改正商法において「社債管理会社」がこれを行うものとした。
    なお、募集の受託会社は、平成5年商法改正によりその規定が取り除かれたことから資格に制限はなくなった(証券会社等も参入できるようになった)が、実際には銀行と信託銀行以外が行っている例はまだない。社債管理会社は、銀行・信託銀行又は担保附社債信託法第5条の免許を受けた会社がなることができる。(商法297条12)。
  • 担保の受託会社は、社債に担保を付ける場合、発行者と信託契約を結び、社債総額について社債券者のために担保権を信託的に取得し、担保物件の管理や必要に応じ、担保権の実行の任に当るものである。

発行方法

※出所 財務省「債務管理リポート2025」

国債の発行方法

国債の発行方法は、市中発行方式、個人向け販売及び公的部門発行方式に大別される。

1. 市中発行方式

国債の市中発行に当たっては、公募入札を基本として、市場実勢を反映した条件設定が行われている。

入札方式

  • 価格(利回り)競争入札
    価格競争入札とは、財務省が提示した発行条件(発行予定額、償還期限、表面利率(クーポン・レート)等に対して、入札参加者が、落札希望価格(又は利回り)と落札希望額を入札し、その入札状況に基づいて発行価格と発行額を決定する入札方式。各落札者が自ら入札した価格(又は利回り)が発行条件となるコンベンショナル方式と、各落札者の入札価格(又は利回り)にかかわらず均一の発行条件(募入最低価格/募入最高利回り)となるダッチ方式がある。
  • 非競争入札
    非競争入札とは、価格競争入札と同時に応募が行われ、価格競争入札における加重平均価格を発行価格とする入札方式。
  • 第I非価格競争入札及び第II非価格競争入札
    第I非価格競争入札は、価格競争入札と同時に応募が行われ、発行予定額のうち25%を発行限度額とし、価格競争入札における加重平均価格を発行価格とする入札方式。

■リオープン方式

新発債の償還日と表面利率が既発債と同一である場合、原則、発行時から既発債の同一銘柄として追加発行(リオープン)する方式。国債の流動性を高めるなどの目的で、平成13年3月より、即時銘柄統合(即時リオープン)方式が導入されている。

2. 個人向け販売

個人向け国債

個人向け国債は、証券会社、銀行等の金融機関や郵便局といった取扱機関での募集により発行されている。取扱機関は、国の委託に基づき、個人投資家から個人向け国債の取得の申込みを受け付けて販売している。国は、募集取扱額に応じて取扱機関に手数料を支払っている。

■一般の利付国債についての新型窓口販売方式

新型窓口販売方式は、それまで郵便局のみで行われていた募集取扱方式による国債の窓口販売を、一般の民間金融機関でも行えるようにしたものであり、これにより、多数の金融機関で手軽に、かつ、ほぼ常時国債を購入することができるようになった。新型窓口販売方式では、個人向け国債の場合と同様に、国は取扱機関に国債の募集・販売を委託しており、取扱機関は、一定期間、財務省の指定する価格で国債の募集・販売を行うが、募残引受義務はない。

3. 公的部門発行方式(日銀乗換)

財政法第5条では、日本銀行による国債の引受けを禁止しているが、同条ただし書において、特別の事由がある場合には、国会の議決を経た金額の範囲内で、例外が認められており、日本銀行が保有している国債の償還額の範囲内で、借換債を引き受ける場合、いわゆる「日銀乗換」がこれに当たる。

日本銀行は、金融市場調節を通じて多くの国債を保有しているが、その保有分を現金で償還する場合には、国債発行当局は、その償還資金調達のために市場で借換債を発行する必要があり、結果として、民間部門が資金不足となる。この資金不足を解消しようと、日本銀行が借換債の相当額を民間から購入して資金を供給する必要が生じるが、このような迂回を避けるため、日本銀行の保有する国債の借換えに必要な金額に限定して乗換が認められている。

地方債の発行方法

地方債の発行方法は、公的資金による貸付と民間等資金による貸付に大別される。

1. 公的資金による貸付

公的資金(財政融資資金及び地方公共団地金融機構資金)による貸付は、証書貸付の方法により行われている。

2. 民間等資金による貸付

■市場公募資金

市場公募資金とは、地方公共団体が市場を通じて、証券発行の方法により調達する資金である。

  • 市場公募地方債
    銀行や証券会社等から構成されるシ団(引受シンジケート団)による募集引受の方式、主幹事方式、入札方式などにより発行されている。
  • 共同発行市場公募地方債
    発行ロットを大型化し、発行コストの低減、安定的な調達等を図るため、平成15年度から全国型市場公募地方債の共同発行を実施。共同発行市場公募地方債は、「地方財政法」第5条の7に基づき各地方公共団体が毎月連名で連帯債務を負う方式により発行されている。
  • 住民参加型市場公募地方債
    地方債の個人消化及び公募化を通じて資金調達手法の多様化を図るとともに、住民の行政への参加意識の高揚を図るため、全国型の市場公募地方債以外に、平成14年3月以降、住民参加型市場公募地方債が発行されている。

■銀行等引受資金

銀行等引受資金とは、地方公共団体が、取引関係を有する金融機関や各種共済組合等から借り入れる資金のことであり、銀行等引受資金によって起こされた地方債を、銀行等引受債といい、この銀行等引受債は、証書借入の方法によるものと、証券発行の方法によるものがある。

政府保証債の発行方法

政府保証債の発行方法は、条件等を同一とする一体運営による方法と個別発行による方法に大別される。

1. 一体運営による方法

地方債と同様に、証券会社と金融機関とで、発行体ごとに引受シ団が組成され、発行体との間で、引受並びに募集取扱契約を締結する方法。また、発行体が受託会社と募集委託契約を結ぶことや残額引受方式、シ団メンバー以外の証券会社による販売も地方債と同様である。

2. 個別発行による方法

競争入札により、発行条件と主幹事証券会社を決定する方法。

債券の償還

償還方法の区分

債券は最終償還日(満期)までに必ず元本を返済しなければならない。国債、政府保証債、公募地方債、利付金融債は満期到来時に元本を一括して償還するもの(満期一括償還)が多く、その他の債券は途中で定期的に一部を償還するもの(途中償還、期限前償還)が多い。

途中償還制度は、計画的に一部償還を行うことにより、債券の満期償還の確実性を高めることを趣旨とするものであり、わが国では、昭和初期以来、有担保原則と並んで、社債に関する投資者保護のための柱とされてきたものである。

第5図 債券の償還方法

図

買入消却
買入消却は、発行者が自分の発行した債券を市場を通して債券保有者から市場価格で買取り減債にあてる方法である。市場価格で買取るため、時価が額面額を下回っているときは発行者にとって有利な減債ができる。反面、時価が額面額を上回っているときは不利となる。
定時償還
定時償還は一定の据置期間経過後、一定の期日(利払日ごと)に、一定額以上の金額を、買入消却の方法により減債することである。前記のとおり、わが国においては、過去、国債、金融債を除き、ほとんどすべての公募債券に定時償還制度がとられ、投資者保護のための柱とされてきたが、現在では、発行者利回りの引下げ、国際化への対応といった見地から普通社債について満期一括償還制度が主流となっている。また、政府保証債については昭和62年度から、公募地方債についても平成4年度から、満期一括償還制度が導入された。
任意償還
任意償還は一定の据置期間経過後、発行者が任意に全部又は一部を繰上げて償還することであり、繰上償還ともいう。任意償還の場合の償還価格は、額面の場合と、一定のプレミアムをつけた場合(普通社債、円建外債等)とがある。プレミアムのつけ方は任意償還時期に応じ異なっているのが通常である。

債券の決済制度

社債振替法の基本的内容

完全ペーパレス化の実現

社債権者に券面の交付請求権を原則認めない、すなわち証券の発行を前提としないことから発行者の発行コスト軽減が期待できる。

残高管理による振替制度

発行、流通、償還に係る処理について振替機関を軸として金融機関・証券会社等の口座管理機関の備える振替口座簿における数量の増減記録により行う。これまで 150もの登録機関に分散し、記番号や券種管理といった煩雑な事務処理を伴ってきた登録制度に比べ、流通性向上に寄与できる。

多階段の階層構造

投資家の権利を記録する口座管理機関について制度への参加形態の弾力化や国際的な連携を想定し、階層構造の多段階化を可能とする。

決済ファイナリティの確保と投資家保護

取引の安全性の観点から口座薄の記録について善意取得を認めるとともに、電子的記録が権利保全の全てであるため、万一の誤記録に対する処理やリスクの遮断等を規定し、さらに口座管理機関等のデフォルトが重なるという最悪の事態が生じた場合の投資家保護対策として加入者保護信託制度を導入。

証券保管振替機構サイト(HPへリンク)