[1] 国債
国債は、国が資金調達を行うために発行する債券で、発行根拠法によって、以下のとおりに分類される。
※出所 財務省「債務管理リポート2025」
1. 普通国債
- 建設国債
公共事業、出資金、貸付金の財源に充てるために発行され、財政法第4条第1項に基づき発行される。
- 特例国債
歳入不足を補てんするため、年度毎の「特例法」等に基づき発行される。
- 復興債
復興のための施策に必要な財源については、復興特別税の収入等を活用して確保されることとされているが、復興債はこれらの財源が入るまでの間のつなぎとして発行されるもので、「復興財源確保法」に基づき、平成23年度から令和7年度まで発行される。
- 脱炭素成長型経済構造移行債(GX経済移行債)
脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の実現に向けた先行投資を支援するため、「GX推進法」に基づき、令和5年度から令和14年度まで発行される。
- 子ども・子育て支援特例公債(子ども特例債)
こども・子育て政策の抜本的な強化に要する費用の安定財源を確保するため、「子ども・子育て支援法」に基づき、令和6年度から令和10年度までの間、必要に応じ、つなぎとして発行される。
- 先端半導体・人工知能関連技術債(半導体・AI債)
先端半導体・人工知能関連技術措置に要する費用の財源を確保するため、「情報処理の促進に関する法律」に基づき、令和7年度から令和12年度までの間、必要に応じ、つなぎとして発行される。
- 借換債
国債の償還資金の調達を図るために発行され、国債整理基金特別会計に基づき発行される。
2. 財政融資資金特別会計国債(財投債)
財政投融資に必要な資金を確保するために発行され、財政融資資金特別会計法に基づき発行される。
また、国債は期間などによって、以下のとおりに分類されます。
長期国債及び超長期国債
現在、期間10年・15年(変動金利)・20年及び30年の利付国債が発行されており、その中でも10年を超える国債は超長期国債と呼ばれ、10年国債は長期国債と区別されている。
超長期国債は、昭和58年2月から、期間の多様化、満期構成の改善等を趣旨として、私募形式で発行されるようになったもので昭和61年度には20年もの国債がシ団引受方式により公募発行され、さらに昭和62年度からは公募入札発行方式が導入された。また、平成11年度から30年債、平成12年度から変動利付15年債が公募入札発行方式により発行されている。
期間10年の利付国債は、国債発行の中で中心的位置を占めるものである。従来、これはシ団引受方式によって発行されていたが、平成17年度末をもってシ団引受は廃止された。現在は、価格競争入札により、発行している。
また、投資家のニーズにより、また国債の効率性を高めるため、平成14年度から「利付債」の元本部分と金利部分を分離し、それぞれ独立した割引債(分離元本振替国債・分離利息振替国債、通称「ストリップス債」)として流通させることが可能となった。
さらに、平成15年度より、国債入札の円滑化を図るため、入札前取引制度が導入された。財務省より入札情報が発表された日から入札の日まで取引が行われる。なお、入札前取引と、入札から発行日までの取引をあわせて「WI(When Issue)取引」という。
中期国債
中期利付国債は昭和53年6月に3年債が初めて発行された。その後、2年債、4年債、5年債が発行され、現在は2年、5年の利付債が発行されている。中期利付国債の創設と同時に発行条件に流通実勢が反映されやすい公募入札発行制度が導入され、償還期限多様化の前進のみならず、発行方式においても重大な変革をもたらした。
物価連動国債
物価連動国債は、表面利率そのものは固定だが、元本が物価指数に連動し、利払いや償還金額が変動する。物価指数は全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)を適用しており、投資期間中のインフレリスクを回避するために有効な商品である。
個人向け国債
国債の個人保有を促進するために、購入者を個人に限定するとともに、最低購入単位を1万円に設定した国債であり、平成15年3月に発行が開始された。現在は、変動10年、固定5年、固定3年の3種類がある。
国庫短期証券(TDB)
従来発行されていた政府短期証券(FB)と短期国債(TB)が、平成21年2月に名称を統合し、国庫短期証券とされた。国債の借換・償還への対応や一般会計や特別会計の一時的な資金不足を補うことを目的に、割引債として発行される。
[2] 政府保証債
公庫、独立行政法人、特殊会社等がそれぞれの根拠法に基づいて発行する債券のうち、元利金の支払いについて政府が保証しているものを政府保証債という。
政府保証債の発行に関しては法律上の根拠が必要であり、それぞれの設置法に債券発行の規定とともに政府保証の規定が明記されている。また、各機関別の発行限度額については毎年度一般会計予算の予算総則で定められ、国会議決を経なければならない。
また、政府保証のない政府関係機関債(非政府保証債)は、発行者との特殊な関係にもとづいて関係者に引受けてもらういわゆる縁故債であったが、財政投融資制度の見直しの中で、財投規模の拡大、特殊法人に事業の肥大化など問題が大きくなり、結果、平成12年5月に財政投融資制度を抜本的に見直す財投改革関連法が成立し、平成13年4月から新たに政府保証が付かない市場公募債である財投機関債の制度が始まった。主な改革等は、郵便貯金等は資金運用部への全額預託義務の廃止、自主運用を行なう。特殊法人等は、財投機関債や財投債などの発行により市場で一括して調達するというものである。
[3] 財投機関債・財投債
財投機関たる特殊法人が政府保証を受けずに、自らに信用力によって個別に金融市場で発行する財投機関債に対し、財投機関が必要とする資金を財政融資資金特別会計が金融市場から一括して調達するために発行する財投債という。財投債に関して政府の信用で必要額だけ低コストで調達し、政策判断にあわせた配分が可能になっている。平成13年9月にはじめてコーポレート型の財投機関債が発行された。
[4] 地方債
地方債とは
[5] 普通社債
民間の事業会社が商法等にもとづき発行する債券で、電力会社が発行する電力債、NTTが発行するNTT債(電信電話債)、普通銀行が発行する銀行社債、それ以外の会社が発行するものを一般事業債と呼んでいる。
従来、事業債には原則として物的担保をつけるという、いわゆる有担保原則が昭和初年度以来確立していた。しかし近年、国際化の進展等から徐々に緩和され、現在では無担保社債の発行が認められている。
[6] 新株予約権付社債(転換社債、新株引受権付社債)
「新株予約権」とは、これを有する新株予約権者が発行会社に対してこれを行使した時、当該会社の株式の譲渡を、①発行後の一定期間内であれば、②一定の価格で(行使価格)、③一定の株数(行使株数)、受けることができる権利のことである。
「新株予約権付社債」とは、この新株予約権が付された社債で、「発行時は普通社債の形式をとるが、請求により予め定められた条件で当該会社の株式に転換あるいは新規取得する権利の付いた社債」と定義される。新株予約権または社債が消滅した場合を除き、新株予約権の分離譲渡はできない。
この「新株予約権付社債」は、従来「転換社債」と「新株引受権付社債(ワラント付社債)」に区分されていた。区分は、権利行使に伴う株式取得時の代金払込み方法の違いによって分けられている。転換社債の場合は、転換権を行使することで社債が株式に転換され社債権は消滅するが、新株引受権付社債の場合は、新株の取得にあたり別途代金を払込むため、社債権は普通社債としてそのまま残るという違いがある。
平成13年度の商法改正により、従来の「転換社債」及び「新株引受権付社債(非分離型)」が法律上「新株予約権付社債」として一本化されたが、それぞれの仕組みに変更があったわけではなく、証券業界においては、従来の転換社債について「転換社債型新株予約権付社債」という名称を統一的に使用することとされており、従来通りの「転換社債」という呼称も通常使用されている。
なお、「新株引受権付社債(分離型)」(社債部分と新株引受権が分離でき、別々に譲渡可能な形式の債券)については、社債券と新株予約権証券(ワラント)の同時発行という位置付けとなったため、新株予約権付社債には含まれない。
[7] 金融債
農林中央金庫、商工組合中央金庫及び信用中央金庫が各個別の根拠法に基づいて発行する債券。金融債については事業債と異なり、発行を円滑にするため以下のような特別の規定が設けられている。
- 資本及び準備金の合計金額の30倍に相当する金額を限度として債券を発行することができる
- 発行にあたっては、それぞれの根拠法に基づいて、その都度、発行予定額や発行条件等をあらかじめ主務大臣に届け出なければならない
- 「社債管理者の設置」の適用がない
[8] 円建外債
外国政府、国際機関、外国企業などの海外の発行体(海外に設立されたSPC、ペーパーカンパニーを含む)が日本国内で円貨建により発行・募集する債券。サムライ債とも呼ばれる。昭和45年12月のアジア開銀債を第1号として、多くの国や政府関係機関、国際機関等が円建外債を発行している。民間企業では、昭和54年3月、シアーズ・ローバック社がはじめて無担保円建外債を発行した。
なお、「外貨建国内債」として、外貨建ての形態で、日本国内で募集・発行された債権について、過去に非居住者向けで発行された債権はショーグン債と呼ばれた。また居住者、非居住者が海外で円建に発行する債券は殆んどがユーロ市場で発行されることからユーロ円債と呼ばれている。