許可制から協議制へ

地方債は本来、各地方公共団体が議会の議決を経て、自らの責任と判断に基づいて発行する独自財源ですが、戦後復興時の社会情勢や資金需要の実勢、地方公共団体間の財政基盤の格差などを考慮し、「当分の間」の措置として、許可制度がとられてきました。

しかし、昨今、国と地方との役割分担を明確にし、地域の実情やニーズに適った個性的で多様な行政を効率的に展開するといった観点等から、住民に身近な行政を出来る限り身近な地方公共団体において処理することを基本とする地方分権の推進が図られ、国においては、総合的かつ計画的な推進を図るための法制上、財政上の措置等が講じられており、その中で、地方債制度についても許可制度を廃止し、平成18年度から事前協議制度への移行が図られました。

これは、許可制度が果たしてきた適正な資金配分や資金需給の調整など総合的見地からの調整機能や、地方債全体の信用維持のための財政健全性の審査機能などの役割を担保しながら、地方債の発行を原則自由化するもので、地方公共団体の責任と判断のもと、地方債の発行条件の改善を図るとともに、地方債市場の整備育成、地方債証券の流通性の向上、資金調達方法の多様化や共同発行の促進に努めていくことを目的とされているものです。

地方債協議制度の概要は以下のとおりです。

[1]協議

地方公共団体は、地方債を発行する場合には、都道府県・指定都市にあっては総務大臣、市町村・特別区等にあっては都道府県知事に協議しなければなりません。

[2]同意のある地方債に対する公的資金の充当

地方公共団体は、協議において総務大臣又は都道府県知事が同意をした地方債についてのみ、公的資金を借り入れることができます。

[3]同意ある地方債の元利償還金の地方財政計画への算入

総務大臣又は都道府県知事が同意をした地方債についてのみ、その元利償還金が、地方財政計画に参入されます。

[4]同意のない地方債を発行する場合の議会報告

総務大臣又は都道府県知事の同意を得ないで、地方債を発行する場合には、地方公共団体の長は、あらかじめ議会に報告しなければなりません。

[5]同意基準及び地方債計画

総務大臣は、毎年度、協議における同意基準及び地方債計画を作成し公表します。

なお、協議制度に移行した後のも、以下の地方公共団体については、例外的に国による関与が行われます。

■赤字団体、実質公債費比率の高い団体、赤字公営企業等

→地方債を発行する場合には、総務大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。

■標準税率未満団体

→公共施設等の建設事業(第5条第5号)の経費の財源とする地方債を発行する場合には、総務大臣又は都道府県知事の許可を受けなければなりません。

地方債協議制度の見直し(届出制の導入)

○ 平成24年度から地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、一定の要件を満たす地方公共団体が民間等資金債を発行する場合は、原則として協議を不要とし、事前届出のみで発行できることとされた。また、平成28年度から協議不要基準の緩和など、地方債制度の抜本的見直しが行われた。


1.協議不要対象団体

以下の①から④までの要件を満たす地方公共団体

  • ① 実質公債費比率が18%未満であること

  • ② 実質赤字額が0であること

  • ③ 連結実質赤字比率が0であること

  • ④ 将来負担比率が都道府県及び政令指定都市にあっては400%未満、一般市区町村にあっては350%未満であること

  • ※ 協議不要対象団体であっても、資金の不足額がある公営企業に係る民間等資金債を発行する場合は、協議をしなければならない。

  • ※ 平成28年度からは、公的資金を充当する地方債のうち特別転貸債及び国の予算等貸付金債について、新たに届出制の対象とされている。


2.地方財政計画、地方債計画

届出がされた地方債のうち協議を受けたならば同意をすると認められるものは、その元利償還金を地方財政計画に算入するとともに、その予定額を地方債計画に計上。

地方債協議制度のしくみ

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○届出実績・協議不要団体について
平成25年度
都道府県 指定都市 市区町村 合計
協議不要対象団体数 33/47 19/20 1,564/1,722 1,616/1,789
うち届出実施団体数 22/33 14/19 263/1,564 299/1,616

 

平成26年度
都道府県 指定都市 市区町村 合計
協議不要対象団体数 34/47 19/20 1,616/1,721 1,669/1,788
うち届出実施団体数 22/34 14/19 261/1,616 297/1,669