公営企業金融公庫は財政投融資制度改革により、市場原理に即した貸付利率等の見直し、貸付原資の円滑な調達を図るため資金調達手段の多様化・効率化等を図ってきたところであるが、、平成20年10月1日解散し、同日に公営企業等金融機構が設立される。
設立の趣旨と基本的機能
- ・政策金融改革の基本的考え方のもと、地方分権改革の理念に沿って、国の機関から、地方公共団体が共同で設立し自律的・主体的に運営する機関に移行し、地方公共団体の資金調達を補完
- ・地方財政制度の下で、強固な財務基盤と適正なガバナンスにより、安定的な経営を確保
- ・地方の共同資金調達機関として、市場から債券発行等により資金を調達
- ・公営企業金融公庫の機能を受け継ぎ、住民生活に不可欠な事業に必要な長期・低利の資金を安定的に供給
- ・新たに、ここの地方公共団体の市場からの資金調達をサポート
業務
- ・貸付業務
- 公庫と同様、上下水道・交通・病院・公営住宅・道路整備など住民生活に不可欠な地方公共団体の事業に対して、必要な資金を長期・低利で融資(地方道路公社・土地開発公社への貸付からは撤退)
- ・資金調達に関する支援等の業務
- 新たに、地方公共団体の資金調達をサポート
- ・地方公共団体の資金調達に関する調査研究・情報提供・その他の支援
- ・公庫債権管理業務
- 貸付業務とは別の勘定(管理勘定)を設けて、公庫から承継した公庫の貸付債権の管理・回収業務を実施
資金調達
- ・公庫から承継した強固な財務基盤のもと、市場から債券発行を基本に資金調達
- ・既発の政府保証債の借換のため、引き続き政府保証債を発行
運営体制・ガバナンス
- ・地方公共団体の共同出資により設立され、地方の代表等により構成される代表者会議を中心に地方主体の自主的な運営を確保
- ・外部有識者で構成される経営審議委員会による業務運営のチェックや監査法人等による外部監査の導入、ディスクロージャーの徹底により、適正な経営のガバナンスを確保
財務基盤
- ・金利変動準備金
- 公庫が保有していた債権借換損失引当金を全額(約3.4兆円)承継し、金利変動準備金として積み立てることにより、金利変動リスクに対応し、円滑な業務運営を行うための十分な財務基盤を確保
- ・公営企業健全化基金
- 公営競技の収益金を原資とする公営企業健全化基金を全額(約0.9兆円)承継し、運用益等の活用により、貸付金利の利下げを実施
(参考)公庫改革の議論の経緯盤
平成18年
- ・6月「行政改革推進法」公布・施行
- ・6月「政策金融改革に係る制度設計」推進本部決定
- ・10月 地方六団体案総務大臣提出
- ・12月 地方財政対策において公庫廃止後の新組織の財務基盤について決定
平成19年
- ・2月「地方公営企業等金融機構法案」国会提出
- ・5月「地方公営企業等金融機構法」成立
平成20年
- ・10月 地方公営企業等金融機構 業務開始予定