自己資本比率規制(バーゼル規制)

BIS(国際決済銀行)について

BISは「Bank for International Settlements」の略で、「国際決済銀行」と訳されている。


BISは、第1次世界大戦の賠償問題の解決を企図したヤング案の実施機関として(ドイツの第1次世界大戦賠償支払いに関する事務を扱っていたことが名称の由来)、主要国が出資し、1930年1月にスイスのバーゼルに設立された中央銀行をメンバーとする国際銀行である。


第2次大戦後は、主として中央銀行間の国際協力の要として活動しているが、その目的は、中央銀行間の協力の促進、国際金融業務に対する便宜の供与、国際金融決済の受託・代理業務などを行うこととなっている。


BISはこの目的の下、各国中央銀行のための銀行として預金の受け入れ、為替の売買を行っているほか、国際金融問題について各国の中央銀行が討論する機関ともなっている。


2016年(平成28年)6月末時点で、わが国を含め60か国・地域の中央銀行が加盟しており、日本銀行は、1994年(平成6年)9月以降、理事会のメンバーとなっている。


BISの年次総会は、例年6月または7月に、加盟中央銀行の代表者がスイス・バーゼルのBIS本部に集まって開催されている。総会における議決権限は、各代表者が属する国が引き受けているBISの株式数に比例している。


BISの中央銀行総裁会議は、原則として隔月でBISにおいて開催されている各国中央銀行総裁による会議で、グローバル・エコノミー会議(主要30か国・地域の中央銀行総裁による会議)や拡大総裁会議(すべての加盟中央銀行の総裁による会議)などの総称でとなっており、各国の経済・金融の状況や金融政策、国際金融市場の状況などについて意見交換が行われている。


また、グローバル・エコノミー会議の下に設置されているグローバル金融システム委員会(CGFS)、決済・市場インフラ委員会(CPMI)、市場委員会(MC)などの各種委員会では、国際金融などに関するその時々の問題に応じたテーマについて検討が行われている。


1975年(昭和50年)に発足したバーゼル銀行監督委員会(The Basel Committee on Banking Supervision)はBISに常設事務局があるが、バーゼル銀行監督委員会は1988年(昭和63年)、国際業務を行う銀行の自己資本比率を8%以上とする国際的な統一規制を制定し、それを各国の中央銀行が合意(バーゼル合意)して自己資本比率規制が導入された。